就活も終盤に差し掛かれば、あなたも縁あって複数社から内定をもらうことになるでしょう。しかし、実際にあなたが入社できるのは1社のみです。他の会社の内定は辞退しなければなりません。よくあるのが「何も言わないで知らん顔してしまえばよい。」や「入社直前に断ればよい。」といったものです。それでは不義理になってしまうので、今回はそんな内定辞退の方法について事例を踏まえながら解説します。

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内定辞退はどの時期・どのタイミングがよいのか?

まず、内定辞退はタイミングや選考状況によってやり方が変わってきます。その大前提となる内定辞退にまつわる基本知識をここで紹介します。

内定辞退のタイミングは選考途中がベスト

あらゆるタイミングを比較してみると、選考途中での辞退が一番ライトかつ辞退を申し出やすいと言えるでしょう。なぜなら、第一志望の企業に受かった時点で就活を終了させることになるため、あなたとしても選考途中の企業に対して「第一志望の企業に受かったのでこちらにしようと思っており・・・」と辞退を申し出やすく、採用担当者サイドとしてもまだ内定を出したわけでもなく選考途中なので無理に引き止める必要もなくなるからです。

入社4月1日の2週間前でも内定辞退しても大丈夫だということを知っておこう

「内定をもらったからには必ずその会社に入社しなければならない。」、「内定を断ってしまったら損害賠償請求されてしまう。」といった不安を抱えていらっしゃる方も多いですが、心配ご無用です。我々は憲法で職業選択の自由を認められているので、無理に働きたくない職業に就く必要はないのです。そして、民法でも2週間前告知が定められているので、どんなに迷っても入社予定日2週間前までに申し出すればよいのです。

【民法第627条文より】当事者(企業)が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者(従業員/内定者)は、いつでも企業へ解約の申入れ可能。この場合では、雇用関係は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する。

会社への入社は双方(学生・企業)の合意がないと有効ではないことも知っておこう

また、会社への入社は労働契約と見なされるので、あなたと企業の間で合意がなければ有効になりません。ゆえに、あなたが内定を辞退したいのに、無理に慰留して入社させようとするのは企業の方が労働契約法へ抵触してしまっていると言えるでしょう。

労働契約の締結や変更に当たっては、労使の対等の立場における合意によるのが原則です。(第3条第1項)

引用元:厚生労働省労働契約法のポイント(厚生労働省ホームページ)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudoukeiyaku01/dl/08.pdf

このように、まずは思い込みからなくして、1労働者の権利として内定は辞退できるということを認識しましょう。

内定辞退はメール?それとも手紙で行うべきか?

電話・手紙に加えて、電子メールやSMS、SNSといった多様なコミュニケーションツールが生まれた昨今では、コミュニケーションが取れるのならば何でもよいという風潮があります。しかし、人は意外と伝統ある様式を重んじる傾向にあるので、その傾向に合わせたコミュニケーションが必要になるでしょう。

メールよりも手紙の方が誠意は伝わりやすい

どんなに電子化が進んで、Wordファイルなどで文章が送りやすくなったとしても、手書きによる誠意の伝達を好む人は少なからず存在します。メール1通で誠意を示すのも一つですが、思いをつづった手書きの手紙を送付するのも丁寧になると考えられます。手紙を使うメリットとしては、電子メールの場合、改ざんされてしまう懸念もあるため、手紙を書留のようにデータも原本も残る形式で送れば証拠として企業とあなたの間で言った言わないの不毛な議論を防ぐ手立てともなるでしょう。

例文で見てみる誠意の伝わる文章

誠意の伝わる文章の特徴は以下の通りです。基本方針は丁寧に無礼にならない範囲で自分の意思=内定辞退を伝えているという点に尽きます。

・ビジネス文章の形態を守っている

・簡潔に要旨をまとめている

・なぜ辞退するのかも明示されている

これらを例文を見ながら確かめてみましょう(赤字がポイントとなっております。)

拝啓 ○○○株式会社 人事部採用課新卒採用チーム 御中

平素よりお世話になっております、○○でございます。

先月からの就職活動においてOB訪問の斡旋や面接でのご指導誠にありがとうございました。

そして、未熟な私めに内定までくださり感謝の極みでございます。

しかしながら、本日は誠に恐縮ながら、内定辞退のご連絡のために書面にて失礼いたします。

実はわたくし、私事ながら地元の静岡県へUターン就職することになり、地元の発展に貢献することとなります。

誠に申し上げにくく、斬鬼の念に堪えませんが、この手紙を以て内定辞退とさせて頂きたく、何卒宜しくお願い申し上げます。

末筆になりますが、貴社のますますのご発展を祈念致します。

この度は誠に申し訳ございませんでした。

敬具

ここの表現はメール文章の作り方に通じるところでもあるので、気になる人は参照してみるとよいでしょう。

内定辞退は電話でもよいか?

電話は便利なツールであるものの、不規則に相手の時間を奪い、かつ軽いので使うタイミングを見計らいましょう。

選考途中ならば電話でもOK

選考途中ならば電話での辞退もOKです。なぜなら、採用担当者としても学生に断られること前提で採用を行っているため、いちいち採用活動が終了していないのに、メールや訪問を受けても極論時間がもったいないからです。しかし、採用活動がほぼ終了し内定をいくつかもらっている状態で電話1本で終わらせようとしてはいけません。相手の採用担当者にあなたは内定辞退という重大な決断を電話1本で済ませようとする軽薄な人間だと捉えられかねません。

内定辞退の理由はどう伝えるべき?本音でいくべきか?

内定辞退で本当の理由をそのまま伝えるかどうかは迷うポイントです。しかし、直球でのコミュニケーションは遺恨を生むので、遠まわしな表現をしつつ伝わるコミュニケーションを心がけましょう。

内定辞退の理由で本音はNG

就活では何でもかんでも本音で言えばよいというものではありません。内定辞退の本当の理由もそのうちの1つで、オブラードに包みながら断言するのが相手にとっても伝わりやすいでしょう。

【NG例】
・待遇が第一志望の方がいいからです。
・貴社の○○さんと働く気になれませんでした。
・貴社よりも第一志望企業の方が年収いいからです。

さて、これらの理由はストレートすぎて逆に遺恨を生みかねません。次の例のようにぼかしつつ、断言した方が先方の採用担当者も納得するでしょう。

【OK例】
・第一志望としていたA社に行くことを決断しましたので、内定辞退申し上げます。
・Uターンすることとなり、実家に戻ります。
・総合的に判断し誠に恐縮ながら内定辞退致します。

就活を円満に終わらせるために

さて、ここまで内定辞退の手法について、まとめてきましたが、重要なのは相手の立場や状況を踏まえながら適切なコミュニケーションを行うべきということです。ある種、本音をオブラードに包みながら相手にも不快感を与えないコミュニケーションというのは社会人に求められる必須スキルであるため、これも一つの準備として捉えてもらえれば幸いです。

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