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第116回 政府が要請した”卒後3年間新卒扱い”って何?

目からうろこの就活必勝法

ニュースや新聞で見たという方もいるでしょう。2020年10月27日に政府が卒業後3年間は新卒扱いにするよう経済界に要請したというニュースが発表されました。これはコロナウイルス の影響を受け、雇用環境悪化に伴い、就職活動が難しくなったための配慮と言えます。今回は政府の発表を詳しく汲み取り、どのようなメリットでメリットがあるのか考察します。今後就職活動を迎える学生の方は是非チェックしてください。
※ただし、あくまで政府からの要請という話で、企業によって解釈は異なりますので、あくまで参考としてください。

政府が要請した”卒後3年間新卒扱い”の詳しい内容について

「意欲や能力のある若者が就職の機会を失い、夢や希望を奪われないよう柔軟な対応をお願いしたい」。萩生田光一文部科学相が2020年10月27日、経団連の冨田哲郎副会長ら経済4団体の代表に呼びかけました。(会談には、他にも田村憲久厚生労働相と坂本哲志一億総活躍相、長坂康正経済産業副大臣が同席)その柔軟な対応というのが、”卒後3年間新卒扱い”になります。対象と想定しているのは21年春卒と22年春卒の学生とされています。就活だけでなく学業や日常生活にもコロナウイルス の影響を大きく受け支障をきたしている世代です。

なぜ、このような要請を政府が行なったのか

2つの理由が考えられます。

①日本は新卒採用の文化

日本は古くから、新卒社員を大量に採用し、長期的に育成し終身雇用する文化でこれまで歩んできました。そのため、中途採用などを実施しない、中途入社の割合が低いなどの会社が多くあります。日本において”新卒”というタイミングは、働く人にとってとても重要な機会と言えます。

②氷河期世代を生み出した経験

2000年前後など雇用情勢が厳しい時期に就職活動をした人たちが、キャリアを磨くことができずに現在もなお不安定な就労環境に置かれている氷河期世代の問題があります。ひきこもりと呼ばれる人をたくさん作ってしまった過去があり、同じ過ちを繰り返さないための判断と言えます。

国会・政府

まとめ

学生の立場から、卒後3年間が新卒扱いとなるメリット・デメリットについて

<メリット>

・卒業後の期間で留学などキャリアアップのための投資ができる
・経済活動回復後など、雇用環境が改善されたタイミングで新卒入社できる
・納得のいく就職先が見つかるまでじっくり就職活動(就職浪人)できる
・一度就職してからでも、キャリアを強く求められない新卒の立場でエントリーできる

<デメリット>

・卒後3年間新卒扱いは企業によって解釈が異なるため、場合によっては第2新卒、既卒(キャリア採用)扱いとなる可能性もある。その場合、スキル・経験が伴わない
・卒後働いてない期間が発生していることに対して、ネガティブな反応をする会社もある
・同期入社との年齢差が発生する

卒後3年間新卒扱いにはメリットもあれば、デメリットもあります。一般論としては人より遅れて新卒入社になるため、明確な理由がない限りは就活では不利になるケースが多いと考えておくほうが無難でしょう。ただしチャンスは増えることは間違いありません。
どうしても入りたい希望の企業がある場合、卒後3年間をどのように解釈して採用活動を行うかは、今後意識してチェックしてみるとよいでしょう。アンテナ高く情報取集し、自分に合ったプランを色々考えてみてください。

この記事の著者

斎藤優

斎藤優

早大商学部卒業後、某大手人材会社にて新卒採用支援業務に従事。インターン企画運営、採用企画立案から媒体運用、説明会企画・運営、面接、内定者研修まで一貫して担当。個のキャリアアップを支援したいと思いから、国家資格キャリアコンサルタント取得し、より就活生に寄り添ったサポートを行っている。

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