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なぜ「MARCH以上」を新卒選考の基準にするのか?

就活をはじめた大学生にとっては、自分の行きたい企業に行けるのか?と不安になることは多いと思います。自分の実力云々の前に、自分が所属している大学名で通用するのか?と感じることもあると思います。

一般論として入試の難易度と「就職のしやすさ」は一致しません。最終的には大学名ではなく、その人の勝負です。過度に気にする必要はありません。就職先の企業の人材戦略により、求められる学生は異なります。文系か理系か、企業が首都圏なのか地方なのかなどでも変わってきます。

しかし一方で、MARCH以上という基準が、新卒の選考、特に文系就職の場合に適用されることも一部にはあります。理由は、採用する企業側にとって効率の観点で都合がよいからです。しかし今後は変わってくる可能性もあります。学生はどう対応したらよいでしょう?順を追って解説していきます。

「MARCH以上」とは?

まずあらためてMARCHとは、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学の5大学の通称です。学習院大学を含めたGMARCHという言い方もあります。一般的には、上智、東京理科、関西の関関同立(関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学)はMARCH以上に含まれています。旧帝大、早稲田、慶應はもう一つ上のランクとして扱われることが多いです。

首都圏にある国公立大学、一橋、東京外語、お茶の水、電気通信大学、都立大、千葉大、埼玉大などは含まれます。地方の有力な国公立大学も含まれることが多いです。神戸大学、奈良女子、大阪市大、大阪府大などです。地方国立大や偏差値的にはMARCHより少し下の私立が含まれるかどうかは、企業の判断によるところになるでしょう。

大学のベンチ

なぜ「MARCH以上」を基準とすることが多いのか?

MARCH以上を基準とする理由の1つは、企業にとって効率がいいからです。
人気の高い大企業には万単位の学生がエントリーします。そうすると対応する人事の人数やコストも限られていることから、何らかの手段で絞り込みをする必要があります。SPIは受けてもらうだけでもコストになります。そうした点から学歴を1つの物差しとして説明会の予約時点でフィルターをかけるのは企業にとって都合がよいのです。

① 学歴フィルターについて

学歴フィルターについては企業ごとに基準は異なります。ナビからエントリーしたときに「MARCH以上なら説明会に参加できるが、日東駒専だとできない」という企業もあれば、「採用のターゲットをMARCH以上としているが、それ以外でも優秀なら採用する」という企業もあります。完全に大学名で切り分けているパターンと、採用のひとつの基準として設けているが絶対ではないパターンです。

② 企業が求める「自頭」

MARCH以上というのは、地頭の観点から1つの基準になりやすいとえるかもしれません。企業が求める人材要件のうち、論理性、思考力、課題解決力などいった、地頭と関係している部分から、どうしても学歴が一つの基準になりやすい側面があります。主要企業だと一定のコミュニケーション能力があるのは最低限必要で、その上でどのようなアウトプットができるか、面接などで地頭を見ています。

近年では、MARCHの受験人気の向上と入学定員の厳格化によりMARCHの難易度が高まっています。この点でいうと企業側のMARCH人気は高まるかもしれません。

③ 早慶プラスアルファ―?

主要企業の出身大学を見ると、早慶が強いことがわかります。例えば就職人気が高い総合商社では、大手4社全てで慶應義塾大学が採用数トップとなっています。その他の業界でも慶應や早稲田が上位となっている場合が多いです。(「人気41企業別「採用大学」ランキング!ダイヤモンドオンライン(2020.3)による※)

なぜ「MARCH以上」を基準とすることが多いのかの一つの答えとして、主要企業が最も採用したいのは早慶・旧帝大クラスであり、下限をMARCHに置いて採用ターゲット大学としている場合が多いという仮説も考えられます。(もちろんすべての企業に当てはまるとは限りませんが)

企業は自社に応募してくれる母集団を形成しようと思うと、対象の人数は重要です。早稲田、慶應から多く採用したいと考えている企業は、MARCHに対象を広げて、その中から優秀な学生を探すことで人数的にはカバーしようと考えます。

④ 学生の人数が多く、OBOGも多数

企業の採用活動は、大学入試のような公平性は求められません。企業にとっては、欲しい人材を効率的に採用できることが重要です。効率の観点から考えると、なぜ「MARCH以上」を基準とすることが多いのか?のもう1つの答えは、MARCHは学生人数が多いということもあるでしょう。

1学年のおおよその人数を記載します。明治大学7500、青山学院大学4500、中央大学6300、法政大学6500、立教大学4500です。偏差値帯で次のレベルに位置づく、大学群だと成蹊1800
成城1300、明治学院3000、武蔵1000くらいです。国立大学の例だと一橋1000、横浜国立1700、千葉大学2300です。早稲田で9000、慶應で6400です。

人数が多いがゆえに採用の実績も多く、OBOG社員がたくさん働いているということも人事担当者には安心材料になっています。

学歴の重さ

 

就活と学歴について書いた記事は、下記をご覧ください。

「就活に学歴って関係あるの?学歴フィルターって?企業のホンネを教えて!」

「MARCH以上」の基準は今後変化するのか?

学歴よりも個人の評価が重視される時代へ

これまで見てきたところだと、MARCH以上の学生は就活で有利さはあるように思えますが、時代は少しずつ変化しています。
学歴という基準がなくなることはないかもしれませんが、より個人に焦点があたる就職活動になっていくことは明らかです。一つの例として、企業側から学生にオファーを送るオファー型就活の台頭です。数年前には存在しなかったofferboxやdodaキャンパスといったオファー型の新卒プラットフォームがひとつの就活ルートになってきています。

新型コロナの影響により、今後採用にも大きな変化が予想されます。採用人数を絞る方向になれば、学歴という基準が一時的に高まる可能性はあります。但し新卒一括採用がなくなり、通年採用や学年関係なしになってくると、学歴ではなく本当にその学生の実力が評価される時代になることが想像できます。

人気企業の顔ぶれが変化するかもしれない

「MARCH以上」という基準は、学生が一部の人気企業に殺到するがゆえに、当該企業側が基準を設けたという背景もあります。しかしながら、今後大きな社会変化により「人気企業」も移り変わるかもしれません。過去、社会不安になると学生の安定志向は高まり、大企業の人気が高まる傾向がありました。ですが今後社会構造が変われば、大企業とて安定しているとは言えなくなる可能性があります。

どのような企業が生き残っていくのかを見極めるのは難しいですが、もはや定年まで勤め上げる時代ではなく、自分がどのように成長したいかを考えて企業を選ぶ時代です。学生も社会変化には敏感です。現在名を連ねている人気企業が数年後もこのままかどうかは、わかりません。ゆえに企業側のMARCH以上という採用の考え方そのものにも、変化が生ずる可能性はあると言えるのではないでしょうか。

大学芋

まとめ

MARCH以上というくくりが、広く企業の採用活動にあてはまるわけではありません。当然就活のすべてにおいて学歴フィルターがはびこっているわけではないです。ただし、求められる論理性やSPIの試験などによって、実質的に学歴順になっている場合もあります。つまりは企業の採用プロセスにおける「効率化」で、MARCH以上という基準が存在するわけです。
但し、一般的にその多くは最初のエントリー、一次選考の段階での考え方であり、選考が進む過程で学歴の有利不利はなくなってきます。

また、今後企業側の採用に変化が生ずる可能性があり、いずれの大学に所属する学生もより個に磨きをかけ、自己アピールが必要になると思われます。自己PRが苦手な人は、周りの大人や就活塾に頼ってみてください。短期決戦の就職活動で、自分をアピールする「技」は重要です。
是非まずは自分磨きとして何ができるかを考えて、大学生活に取り込んでみてください。

 

また、学生の方の中には就活について不安な方もいるでしょう。

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