就活生優位の売り手市場に漂う“楽勝”ムードの落とし穴

 

就職内定率は過去最高。そんな状況に対して「楽観視」している学生を見かけます。数値だけ見ればそうとも読み取れなくもありませんが、データには「読み取り方」というのがあります。

どんな計算方法で、何がわかる数値なのか、これを正確に読み取る必要があるということです。あくまで就職内定率といった数値は、全国の学生が対象であり、全業界を対象とした大きなデータであるということです。

つまり「就職内定率が高いから大手企業への内定が楽勝」ということには、必ずしも繋がらないわけです。

 

おそらく個人的な見解としては、「中小企業やベンチャー企業への採用マッチングを生業としている、就職活動系イベントの増加と新卒紹介と呼ばれるエージェントサービスの拡大」が、内定率の向上に寄与していると考えています。

言い換えれば「とりあえず内定は持っているが、希望する企業から内定は取れていない」といった層がかなり多いことが予想されます。

 

そういわれてもピンとこないと思いますが、「大学受験」に置き換えればイメージが付くと思います。大学進学を希望する人の大学進学率は50%以上を超えていますね。高校から約半分が大学に進学する世の中になっています。

その中で「定員割れ」の大学も多く、名前を書けば合格という大学も少なくありません。とにかく「大学生になれた」という層も含めたものが「就職内定率」という数字に感覚的には近いというわけです。

大学を選ばなければ大学生になれる今の状況ですが、東大を始めとした名だたる難関大学に入学するのはどの時代も、難易度が大幅に下がるなんてことはないわけです。ですが、その感覚が就職において抜けている気がしてなりません。

目指すべき山が高い場合、その難しさが外部要因によって大幅に下がるということは考えづらいのです。

 

就職活動に限らず、このように「自分がイメージしやすいもの」に置き換えて考えてみると、実感が湧いてくると思います。人によって「入社したい」「優良である」といった定義は違うとは思いますが、人気のある企業の倍率は、むしろ増加傾向と考えるのが無難でしょう。

会社を選ばなければ「とりあえず就職口はある」わけですから、皆が「出来れば上に挑戦しようかな」となるわけです。上になればなるほど倍率が上がり、競争が激化する。そういった流れにあることを自覚する必要があるでしょう。

「売り手市場だから大丈夫」と楽観視するのではなく、「売り手市場になることで楽観視する他の学生にどのように差をつけていくのか」に早めに視点を移し行動する学生に、チャンスがやってくるというわけです。

 

データを鵜呑みにせず、データを自分でかみ砕いて理解する頭を鍛えていってほしいと思います。

 

(記事: 内定ラボ 岡島達矢)

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