福利厚生を気にする就活生はとても多く、就活塾の学生からも様々な質問があります。
企業を選ぶポイントは様々です。このところ売り手市場が続いていたので、企業側も就活生に選ばれる企業になるために従業員向けの福利厚生を充実させて来ました。

しかしながら福利厚生は気になるけど、実際のところよく分からないという学生も多いです。あらためて福利厚生とは何か?就活生が見るべきポイントを解説します。

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福利厚生とは?

あらためて福利厚生(ふくりこうせい)とは、企業が従業員に対して通常の賃金・給与以外に提供する手当やサービスのことです。福利厚生の対象は従業員だけではなく、その配偶者や家族まで含むため、生活を充実させるためにも重要なものです。

福利厚生には法定福利厚生と法定外福利厚生があります。

家族・ファミリー

法定福利厚生とは?

法定福利厚生とは、法律によって義務づけられている福利厚生制度のことです。雇用保険、健康保険、厚生年金保険、介護保険などの「社会保険料」や児童手当拠出金の納付などがあります。就活生としてはそれほど気にする必要はないかもしれませんが、これも福利厚生の1つであることは知識として覚えておくとよいでしょう。

法定外福利厚生とは?

法定外福利厚生とは、法律で義務づけられた法定福利以外に、企業が任意で提供する福利厚生サービスのことです。従業員が恩恵を受けていると感じる手当やサービスがこちらになります。企業によって内容や範囲は大きく異なります。

実際、どのくらいの金額なの?

第63回福利厚生費調査結果報告2018 年度(2018 年 4 月~2019 年 3 月)によると、2018年度の企業の福利厚生費は、全産業平均で従業員1人1ヵ月当たり113,556 円で、このうち法定福利費は 88,188円で、法定外福利費は 25,369 円です。福利厚生全体に占める割合は法定福利が多いというのが分かります。

企業規模でどれくらい違うの?

一般的には大企業のほうが福利厚生は手厚いです。企業の規模で福利厚生がどれくらい異なるのか前述の調査結果から見てみましょう。
<従業員1人1か月の法定外福利厚生の金額(第63回福利厚生費調査結果報告2018 年度より)>
・500人未満 15,458円
・5000人以上 26,939円
年間だと10万円以上異なります。

レジャー施設

就活生はどれくらい気にしているの?

多くの就活生が就職先を決めるポイントとして、福利厚生をあげています。
就職みらい研究所による調査によると、「就職先を確定する際に決め手になった項目」として、1位「自らの成長が期待できる」の47.1%に続き、「福利厚生(住宅手当等)や手当が充実している」が37.8%で2位となっています。3位は「希望する地域で働ける」の37.0%です。(出典:2018年12月 就職みらい研究所「就職プロセス調査」)

就活生からすると、福利厚生に多く投資できる企業は、従業員を大切にしてくれそうと感じるようです。しかし、実際にはどのようなサービスを受けられるのかよく分からないまま、福利厚生重視と言っている就活生もいます。では、どのようなサービスを受けられるのか詳しく見てみましょう。

福利厚生にはどのようなサービスがあるの?

就活生が気になるのは、入社したらどのような恩恵を受けられるのか?ということだと思います。具体的な福利厚生のサービスを紹介します。

住宅手当

住宅に関する手当は法定外福利厚生のうち約半分を占めるくらい、非常に大きいです。住宅補助として家賃の一部を負担することが多いです。結婚したり、子供が増えたりすると金額が変わる場合も多いです。また、自分自身で家を購入した場合は、住宅ローンの一部を補助する場合もあります。独身寮などの社員寮に住む場合は、直接的に補助金があるのではなく、相場より安い金額で住めることが福利厚生の一部となっています。

住宅

交通費補助

通勤にかかる費用を企業が負担する制度です。給与と一緒に支払われることが多いので、従業員も福利厚生だと認識していないこともありますが、立派な福利厚生です。通勤にかかる交通費が支払われない企業もあります。
ちなみに、交通費をもらっているのに自転車通勤やランニングで通勤した場合は、問題があると思いますか?実は厳密に言えば違法です。通勤交通費の不正受給となります。もっとも現実問題としては、そこまで厳密に管理している企業はあまりないでしょう。

家族手当/扶養手当

家族がいる場合に、手当をもらえる制度です。一般的に配偶者がいる場合は配偶者に対していくら、子供が増えた場合は子供に対していくらというように支払われます。企業によって基準は異なります。
近年、共働き夫婦の増加や既婚社員と独身社員の不平等感から、家族手当の見直しを検討する企業が増えています。入社後に家族手当の制度がなくなることも十分あり得るでしょう。

医療・健康

従業員が健康であることは、企業にとっても非常に重要なことです。従業員の満足度向上にも効果があり、健康診断や人間ドックの費用の負担が代表的な例となります。2015年12月からは、規模の大きな事業所ではストレスチェックの実施が義務化されました。
変わった例としては、禁煙手当というものもあります。タバコを吸わない従業員に月1万円や年間10万などを支給するものです。健康は良い睡眠からという考えで、枕を作るための費用を3万円支給している企業もあります。

医療器具

福利厚生で知っておくべきこととは?

実は福利厚生は外部委託していることも多いです。福利厚生を充実させようとすると、メニューが多様化したり、専門的になってきます。そうすると人事部や総務部などの担当部門だけでは非常に工数がかかり、社内だけでも対応するのが煩雑になります。
そこで、外部委託(アウトソーシング)を利用するほうが、企業にとっても従業員にとっても有効であるという判断になってきます。1990年代後半くらいから福利厚生の専業アウトソーシングの企業が出てきて、今ではアウトソーシングが一般的になってきています。

パッケージサービスとカフェテリアプランとは?

福利厚生の外部委託には、パッケージサービスがあります。こちらは定額制になっており、従業員一人当たり一定の金額を企業が払うことで、福利厚生パッケージで提供されている外部委託先のサービスをすべて使うことができるというものです。具体的な例としては、宿泊施設の割引やレジャー施設の割引、などです。人事部が外部委託先の福利厚生サービスのAという企業と契約した場合、Aが提供しているサービスは従業員の誰もが使えるので、好きな遊園地に会社の割引で行けるなど、様々なメリットを享受できます。
福利厚生を提供する専業アウトソーシングの企業には、多くの企業が契約しています。自社のみで福利厚生を提供するよりも利用人数が多いほうがスケールメリットが出せます。言うなれば「超巨大な団体割引」のようなものです。

パッケージサービスのデメリットとしては、使わないサービスがあるということです。人によって行動範囲や趣味は当然異なります。レジャー施設によく行く人もいれば、一切行かない人もいます。パッケージとして提供されますので、どうしてもよく利用されるサービスとそうでないものの濃淡が出てしまいます。

一方のカフェテリアプランとはどういうものでしょうか?カフェテリアプランとは、従業員に一定の補助金(ポイント)を与えて、その範囲で自由にメニューから選択できるという制度です。メニューには例えば以下のようなものがあります。

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住宅 住宅費用補助、引っ越し費用補助
財産形成 財形貯蓄奨励金、持株会奨励金
健康 人間ドック費用補助、スポーツクラブ利用補助
育児 育児費用補助
介護 介助費用補助
生活支援 社員食堂・食券利用
自己啓発 資格取得費用補助、通信教育費用補助
余暇支援 宿泊・旅行費補助
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社員の多様なライフスタイルに合わせて、必要なものを活用してもらえるので、「使う権利はあるのに、使う機会がない」といった福利厚生の無駄がなくなり、大変合理的です。但し必要なときにポイントが不足してしまったり、企業側の予算管理はし易いものの、利用には個々の計画も必要になります。最近はカフェテリアプランのアウトソーシングもあるので、パッケージサービスと合わせて、OBOG訪問の際などに聞いてみるとよいかもしれません

就活塾生

就活塾の視点:福利厚生を志望動機にするのはNG

福利厚生を重視している就活生は多いですが、それを志望動機にしてしまう就活生がいます。これはNGです。企業は自社の事業に貢献してくれる人材が欲しいので、志望する最も大きな理由が福利厚生だとすると、採用担当者は物足りなく感じます

魅力に感じるのはOKですし、福利厚生が志望するきっかけなのもOKです。ただ、福利厚生だけを取り上げてしまうと、利己的で受け身のイメージを持たれてしまいます。どうしても福利厚生を取り上げたい場合は、自分が受ける恩恵について話すのではなく、従業員を大切にする企業の方針や風土を持ち上げるほうがよいでしょう。就活塾でも必ず注意する点です。

志望動機で伝えるべきなのは、あくまで自分自身のアピールです。相手方の福利厚生が魅力的だとしても、それを前面に出すのではなく、自分がいかに志望企業に貢献できるかということをアピールすることをお勧めします。

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